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Channel: 竹田淳子 – BizLady(ビズレディ)
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落ち着くのはNG!? プレゼン前の「あがり症を克服する」5つのコツ

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働く女性にとって、会議の司会進行や、新商品の発表会など、大勢の人々を前に発言したり、発表したりする機会は度々あるだろう。でも実際に、「人前で話すのが大好き!」という人よりは、「人前で話すことは苦手……」という人のほうが、圧倒的に多いのではないだろうか?

緊張せずに話すには、訓練と場数を踏むことが重要だが、そもそも公の場で話す機会が少ないため、なかなか場数を踏めないという現実があるだろう。

そこで今回は、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールの教授で、『Give&Take「与える人」が成功する時代』(三笠書房)の著者であるアダム・グラント氏のコラムを参照しつつ、あがらずに人前で話すための5つのコツを紹介しよう。

■1:落ち着こうとしないこと

ハーバード大学のアリソン・ウッド・ブルックス教授の研究によると、多くの人は、スピーチに重要なのは「落ち着くこと」だと考えているが、実際は「私は落ち着いている」と言って行ったスピーチは説得力にかけ、自信が感じられないと評価される一方、「私は興奮している」と言った場合のほうが、魅力的なスピーチになったという。

同書では、その理由として、人間には生理学上“ゴーシステム”(go system)と“ストップシステム”(stop system)という2つの回路を持っていることを挙げている。ゴーシステムは行動を促進させる回路であり、一方ストップシステムは行動を慎重にさせる回路。つまり、自分に「落ち着こう」と言い聞かせることによって、ストップシステムがオンになり、消極的な印象を聴衆に与えてしまうということなのだ。

また“不安や恐怖”という強い感情は、“落ち着く”という真逆の平静状態に変えるよりも、同じように強い感情である“興奮”に転換するほうが容易ということもあるそう。

■2:多くの聴衆の前で練習すること

スピーチの練習するときはだいたい、ひとりで練習することが多いだろう。しかし、ひとりで練習していてもあまり効果がでないのだそうだ。

なぜなら、スタンフォード大学の心理学者のロバート氏によれば、他人の存在が興奮や緊張を引き起こすため、ひとりで練習していても緊張することがなく、発表の場でもっとも重要な緊張の調整をする練習にならないためとしている。

グラント氏がおすすめしているのは、小グループの前でリハーサルをすること。友達や同僚など気の置けない仲間に頼んで、リハーサルに付き合ってもらおう。

■3:照明を暗くすること

照明を落とすことで、聴衆の顔が見えづらくなり、緊張が和らぐという。また薄暗いほうが聴衆もリラックスし、笑いが起こりやすくなるのだそうだ。

ただしスピーチの内容がつまらないと眠りを誘ってしまうので、中身に自信のあるスピーチの場合のみ、照明を落とすのがおすすめとのこと。

■4:どんな人に話すか事前に調べること

聴衆者のバックグランドを調べておくことで、スピーチの内容をより興味の持てるものにすることができ、スピーチに具体性と説得力を持たせることができるという。スピーチする側の緊張や不安を和らげる効果もあるようだ。

■5:クイズや質問、物語を使うこと

スピーチの出だしに、聴衆に対してクイズや質問、物語から始めると、クイズの答えを考えたり、物語の筋や展開に着目して集中するようになり、逆にスピーチをしている人にはそれほど注目しなくなって、スピーチの良し悪しについてもあまり評価しなくなる、とのこと。

これはすぐにも役立てそうなテクニックだろう。

以上、プレゼンなどで、あがらずに人前で話すための5つのコツをご紹介したが、いかがだろうか?

アダム氏は、初めてスピーチの依頼を受けたとき、発表日前はいくら練習しても緊張が解けず、よく眠れなかったという。結局、スピーチはとくに間違いもなく何とか終えたが、聴衆者からは、「緊張でガチガチに見えた」「文章を丸覚えしたような棒読みだった」などさんざんな評価で愕然としたという。

それ以来、多数のスピーチを経験する過程で、スピーチの不安や恐怖感を減らすための、これらの方法にたどり着いたのだそうだ。

どれも簡単にできるものばかりだろう。だまされたと思って一度やってみてはいかがだろうか? 人前で話すことが、楽しいものになるかもしれない。


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